相続の開始(民法882条)に「相続は、死亡によって開始する」とありますが、「死亡」
とは、以下の3つの場合が定義されます。
1.自然的死亡、2.失踪宣告、3.認定死亡
1.自然的死亡
医師により、医学的に死亡の確認がなされる自然的死亡があります。
2.失踪宣告
失踪者の生死不明の状態にある人を死亡したと判断するときの基準があります。
長期間、生死が明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、法律上死亡したと扱うことができ、これを「失踪宣告」をといいます。
失踪宣告には、2種類あり、「普通失踪」と「特別失踪」があります。
いわゆる行方不明は、「普通失踪」となります、
「普通失踪」とは、
7年間不在者の生死不明が継続した場合に、利害関係人の請求によって認められるということです。(民法30条)また、普通失踪の場合には、失踪から7年が経過した時に死亡したものとみなされ(民法31条)、相続が開始します。
「特別失踪」とは、
戦地に臨んだ者、沈没した船舶に在った者その他死亡の原因となるべき危機に遭遇した者の生死が、それぞれ戦争が止んだ後、船舶が沈没した後またその他危機が去ったのち1年間明らかでないとき(民法30条2項)、「危難」が去ってから1年後、失踪宣告の申立てが出来ますが、危難が去ったときに相続が開始します(民法31条)。
3.認定死亡
戸籍法89条に根拠があり、大事故や大規模な災害が発生した場合、遺体が見つからないなどの理由で死亡の確認ができないこともあります。認定死亡とは、このような状況で生死が不明となった人を、取調べをした官庁などの死亡報告に基づいて、死亡の戸籍記載をする制度です。この認定死亡の場合も、相続が開始します。(最判昭和28.4.23)
4.高齢者職権消除
所在不明の高齢者などで、明らかに生きているとは思われないような場合、「高齢者職権消除」というものがあります。行政が職権による「死亡」の戸籍の記載がなされます。(戸籍法44条3項・24条2項、昭和6年2月12日民事第1370号民事回答、昭和32年8.1民甲第1358号通達)
死亡の戸籍記載がなされる点で認定死亡と類似しますが、高齢者職権消除は、単に戸籍行政上の便宜に基づくものであって死亡という法的効果生ずるものではないとされています。(松山家審昭和42.4.19家月19巻11号117頁)
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