相続法(民法)の改正・三者対抗要件

2019年(令和元年)7月1日に改正された相続法が施行されました。

相続させる旨の遺言の対抗要件主義の導入

相続が発生し、被相続人が、いわゆる「相続させる」旨の遺言等を残していた場合において、民法で定める法定相続分を超える相続分・相続財産を取得した相続人は、「登記」などの対抗要件を満たす手続きをしなければ、自らの法定相続分を超える部分については、第三者に対抗する(主張する)ことができないこととなりました。

1.適用される場面

①特定財産承継遺言(第1014条第2項)

②遺産分割(第907条)

③遺贈(第904条)

④相続分の指定(第902条)

⑤遺産分割の方法の指定(第908条)

2.効果

法定相続分を超える部分については、登記などの対抗要件を備えなければ第三者に対抗できない。

3.期日と経過措置

施行期日:2019(令和元)年7月1日

経過措置:施行日前に発生した相続であっても、施行日以降に遺産分割等をした場合適用される

改正された相続法は、2019年(令和元年)7月1日以降に発生した相続について適用されます。

2019年(令和元年)6月以前に発生した相続については、改正前の民法が適用されますので、遺言があれば相続登記をしなくても、第三者に対抗することは可能です。

2019年(令和元年)6月以前に遺言が作成され、2019年(令和元年)7月以降に相続が発生したのであれば、改正後の相続法が適用されますので、第三者へ対抗するためには相続登記が必要となります。

民法の条文を記載しておきます。

民法第899条の2(共同相続における権利の承継の対抗要件)

相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、次条及び第901条の規定により算定した相続分を超える部分については、登記、登録その他の対抗要件を備えなければ、第三者に対抗することができない。

船橋市にある当司法書士事務所では、相続(相続登記)・遺言・相続放棄手続きのお手伝いをさせていただきます。お気軽にご相談ください。